岡部進著「生活数学シリーズ」本について

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NEW!※続・生活数学シリーズの第1作目「茶の間に対数目盛」を追記しました。(2013.5.27)

NEW!※9「まわるとくくりの数学」、10「集めてはかる数学」を追記しました。(2013.5.24)




※著者・岡部進自身の各本の紹介キーワードは、
「生活数学シリーズ本紹介文」(PDF)にありますので、読んでください。
ここでは、一般人である私が、読んでこういうところが興味深かった、良かった、
と思ったことを紹介しています。
(皆様からの、読後の感想文をお待ちしています)
新1. 茶の間に対数目盛 
             四六版、ソフトカバー、268頁、定価:本体1,5000円(税別)(2012年 ヨーコインターナショナル/生活数学ネットワーク)

            書籍コードaFISBN978−4−9905889−3−9
NEW!2011年(平成23年)3月11日に起きた東日本大震災及び、それにともなって起きた原発事故について、
それまで見えなかった事実を「数学の目で見る」ことで浮き彫りにした本です。
3.11震災以降、地震の規模を示す数値とエネルギーの関連の数値が、新聞等に盛んに掲載されるようになりました。
対数目盛が理解出来ている人にとっては簡単なグラフや図表も、
理解できていない人にとっては量感がつかめず、それこそピンとこなかったはずです。
今、対数目盛は学校教育で教えていないのです。
茶の間にどんどん入り込んでくる対数目盛・・・
数学者として、いてもたってもいられなかったのでしょう。
「茶の間に対数目盛」という本のタイトルは、著者のそんな思いをそのままストレートに表現したものです。
この本には、
震災データばかりでなく、震災の年の、テレビや電気掃除機、家具素材、文具、乗用車、等々、
身近なもののたくさんの物流データをもとにしたグラフや図が90以上登場し、
最小値・最大値、平均、標準偏差、「標準化」、折れ線図、柱状図、など統計的手法を生かして観察し、
数学の目で捉えていきます。
グラフや図表示を見ながら読んでいくよう書かれているので、数学苦手と思う人でも、心配なく読めると思います。
かつては、手書きで計算をした対数目盛計算も、今ではエクセルを使うと「簡単」に図で表すことができますし、
それが当たり前の時代でもあるでしょう。
これから学ぶ人、学ぶ途上にいる人たちには、その「簡単」が曲者(くせもの)なのです。
まずは対数目盛方眼紙で手作業し、その成り立ちを体感することで、量感を正しくつかめるようになって欲しい。
それから後、エクセルを合理的に使っていけばいい。
漠然と「大変な事故だった」ではなくて、データを読み、その量感が正しくわかることが大切だと言う
著者の思いが詰まった本です。

出版した後で、
「『茶の間』は家庭から消えているし、対数目盛も知らないとなると、
若い人はこの本のタイトルを聞いてもピンと来ないのではないか」
そんなことを聞かされて、本当にそうなのだろうかと、少し心配です。
この紹介文が、多くの若い人たちの目にもとまりますようにと願うばかりです。
ちなみに、
毎月開催しているセッションでも、この対数目盛を使った作業する数学で、量感を掴むことを学んでいます。

「続・生活数学シリーズ」は、
もともと、少し肩の力を抜いた随筆風の本を新シリーズでまとめてみようと、
執筆を進めていたものでした。
先に完結とした「生活数学シリーズ」10冊が、著者にとっては、教育現場を離れた後に書いたもので、
やさしく書いたつもりがあったようですが、やはり難しいという声もあり、気になっていたのでした。
けれども、その矢先に起きたこの震災で、急遽方針を変更したものです。(2013.5.27・記)

NEW!書評:瀬尾祐貴(大阪教育大学教授)
NEW! さて、「生活数学シリーズ」を、違う角度から紹介してまいりました。
そもそも、本には「まえがき」と「あとがき」があり、それを読むと著者の心に少しだけ触れることができます。
ここでは、更に突っ込んで著者の心にある真摯な数学教育への思いを伝える事ができればと、
僭越ながら紹介文を書いているものです。
既に「続・生活数学シリーズ」がスタート、
第1作目「茶の間に対数目盛」を刊行しています。
また、引き続き紹介文を継続案内させていただきますので、
今後ともよろしくお願い申しあげます。(2013.5.24.記)
10.集めてはかる数学  B6サイズ、ソフトカバー、241頁、定価:本体2,000円(税別)(2011年 ヨーコインターナショナル)
                        書籍コードaFISBN978−4−9905889−1−5

NEW! これもまた面白いタイトルですね。
ものの「広がり」や「かさ」、「重さ(質量)」などは、微小なものも「集める」ことで「はかる」ことが出来る。
集めることで見えてくるもの、見えないものがある。そんなことが書いてあります。
いろんなものを集めては、はかり、数学の目でそれをどう捉えるかが書かれていて、
大変面白く興味深い内容になっています。
入れ子式や江戸時代の記数法が出てきたり、
米粒を数えたり、プリンター用紙を積重ねて計ったり。
花壇の花の集まりを観察したり、
ハワイの内田農園を見学した際、コーヒー豆を天日干ししている所で
コーヒー豆の粒を観察したり、と、
好奇心のおもむくまま(かのように)、
日常のなかで出合う「集める」を観察し
数学の目で捉えていきます。
この「捉えかた」が大事だと、著者は言うのです。
カタチがまがりくねってはかりにくい土地の面積も方眼を使うことで「はかる」事ができます。
日常の中で、ものごとを、そういう風に捉える場面がたくさんあるということを、
意識することが大切なのです。けれども、残念ながら、数学教育のなかで、
こういう捉え方を教えることはありません。
9冊目の「まわるとくくりの数学」同様、
「哲学(ものの捉え方)」としての数学を学んでほしい、という著者の強い願いのもと
書かれた本なのです。
この本は、大人にも学生の人たちにも
読めば必ず興味深く感じ、また面白いものだと思います。
タイトルにある「数学」の言葉に惑わされず、是非、気軽に読んでみていただきたいと思っております。(2013.5.24.記)
9.まわるとくくりの数学  B6サイズ、ソフトカバー、247頁、定価:本体2,000円(税別)(2011年 ヨーコインターナショナル)
                        書籍コードaFISBN978−4−9905889−0−8

NEW! 面白いタイトルですね。
生活数学シリーズ本のタイトルは、どんどん面白くなります。
気楽に読んでもらいたいと、著者が一ひねりも二ひねりも考えて考えて、
つけたタイトルなので、褒めてあげていただきたい、なんて思います。
この本の説明をひと言で言うと、
『「まわる」と「括り」に焦点をあてて、そのさまざまな現象を数学の目で捉えた本』
と簡単です。でも、その奥の深さは、やはり著者の思いを聞かないと
伝わらないかもしれません。
「回転運動」は、そもそも、学校授業ではほとんど出てきません。
けれでも、世の中の物体のほとんどは、回転運動と直線運動で捉えることができるのです。
例えば、道具(自動車、など)、施設(エレベーター、エスカレーター、など)は、
「回転運動」を上下運動、左右運動に変えた装置です。
という具合で、「回転運動」を学ぶことは重要なのです。
本来、数学教育で、もっと力を入れていかなくてはいけないのですが、
「運動」という括りで、理科にまかせているのが現状です。
「回転運動」を上下・左右に変える(捉える)には三角関数が不可欠ですが、
苦手だからやらないのです。
三角比(直角三角形)で逃げている、
と著者は歎いています。
日常にあることを、数学の目で捉えるということは、とても大切なことです。
「数学は哲学」というと難しくなりますが、
哲学、つまり「ものの捉え方」としての数学を是非学んで欲しい、というのが、
若い人たちの「明日への挑戦」を確かなものにするためにも、
語り継ぎたい著者の強い思いでもあるようなのです。
この本を、そんな角度からも関心を持ち、読んでいただきたいと思っております。(2013.5.24.記)
8.競(きそ)う現象と生活数学  B6サイズ、ソフトカバー、260頁、定価:本体2,000円(税別)(2010年 ヨーコインターナショナル)
                             書籍コードaFISBN978−4−9904507−7−9

本書は、タイトル通り「競(きそ)う」がテーマです。
「速い」「遅い」とは、どういうことをいうのか。面白いテーマです。
運動会の徒競走や、洋式競馬の足跡をたどったり、車、ファッション、料理、
そして、万博、ジャポニズムやラリック美術館、骨董品等のいろいろな見本市まで出てきます。
そのような見聞録のような文を読み進むうちに、
「「微分」がどのようなところに使われているかが、わかるようになります。
瞬間の比率が微分、比率の究極が微分、
そういう道筋がわかってくると、生活の何に微分が活かされているか見えてきます。
この本で紹介する、誰でも興味を持つ現象のなかに、ちりばめられた
微分や速度ベクトル、片対数方眼紙などを探してください。
「微分」という言葉すら忘れてしまっているかもしれない位、数学に縁遠くなっている人たちも、
生活のなかに数学が溶け込んでいる事に気が付き、数学に改めて向き合うきっかけになる本です。
そして、
次世代の子供達に数学は生きる道筋を見つけ賢く生きる為に
必要で奥深く楽しいものだという事を伝えてもらいたい。

オトナには知的好奇心のヒントに

学習真っ只中の学生諸君には、
苦手な速度ベクトル、微分、片対数方眼紙を理解する為の考え方のヒントに、

子供達には、数学は与えられた問題を解くだけではなく、
問題をいろいろな角度から数値化(データ化)してじっくり考えることが大事、
という事を聞いて、学ぶ姿勢を知るヒントに、

という風にいろいろに活用できる本です。(22.8.17記)
7.生活文化と数学  B6サイズ、ソフトカバー、237頁、定価:本体2,000円(税別)(2009年 ヨーコインターナショナル)
                    書籍コードaFISBN978−4−9904507−6−2

ハワイ・マウイ島での著者の体験がふんだんに書かれています。
そういう意味で、シリーズ本のなかで一番「数学」が少ない本といえます。
著者は、オールドハワイ人の悲しい歴史を知って、
民族固有の文化を尊重し大切に育み守る事が大切だと思うようになりました。
それがきっかけになって、自らを振り返り、
日本人なのだから日本の文化を大事にしなければと思うようになり、
数学の本を、これまで横書きで書いていたのをやめて縦書きで書き始めました。
それが、この「生活数学シリーズ」本です。
そういう意味で、どうしても書く必要があったものと思われます。
この本は、最近セッションでテーマによく取上げている「数値文化の諸現象」等が書かれているのですが、
岡部進という著者も、よく理解できる本です。


書評:猪野修治(湘南科学史懇話会代表)

NEW! 【本文より抜粋文紹介中:『第3章「数値文化の諸現象」1.数値文化って何』】
6.ここにも生活数学 B6サイズ、ソフトカバー、230頁 定価:本体2,000円(税別) (2009年 ヨーコインターナショナル)
                    書籍コードbhSBN978−4−9904507−5−5
これで6冊目。この本だけ読んでも、タイトル通り「ここにも生活数学」があると思うでしょう。
でも、シリーズ本は全部読んで欲しい、そう思うのが著者の本音でしょう。
1冊では完結しない「思い」があるからです。
シリーズを読む進んでいくうちに、そういう著者の思いが伝わるようになります。
高校数学程度の知識は、これからの時代に必要だと常日頃著者は語っています。
またエクセルも使えるようになる必要があるとも。
「なぜ?」と思う人は、まずこの本から読む事をおすすめします。


書評:安藤堅次(小説家中島敦の研究者)

NEW! 【本文より抜粋文紹介中:『第1章「計算から「さようなら」か カード決済生活」』
5.生活幾何へのステップ〜形からの出発
                      B6サイズ、ソフトカバー、231頁 定価:本体2,000円(税別) (2008年 ヨーコインターナショナル)
                      書籍コードaGISBN978−4−9904507−4−8
前提があって議論する事を演繹的議論と言います。その逆は帰納的。
日々の対話のなかで、結構使っている対話方式?です。
仮現実の対話という著者の独特の手法で、そんな会話を読むうちに、幾何の世界にいつのまにか入っています。
他に、ハワイ島のペトログリフの事などが出てきますし、
「幾何はさっぱりわからない!」という人は、
そんな角度から読んでみたら如何でしょうか。得るものはたくさんあるはずです。


書評:石坂和夫(岐阜聖徳学園大学・大学院名誉教授、
アメリカ教育学会理事、前会長、グローバル教育学会顧問・初代会長、
ASCD international Advisor、元数学国際調査referee)
4.「洋算」摂取の時代を見つめる〜福澤・呉・藤澤・小倉に学ぶ
                      B6サイズ、ソフトカバー、284頁 定価:本体2,500円(税別) (2008年 ヨーコインターナショナル)
                      書籍コードaFISBN978−4−9904507−0−0
@江戸時代、数学ブームがあった位、もともと日本人は数学が得意で、
寺子屋等でも盛んに子供達が学んでいたといいます。
明治時代に、学校教育でも西洋数学(洋算)を採用した事等から、
和算は衰退してしまいます。何故そうなったのでしょうか。
明治時代に何が起きたのか、何があったのか、数学の側面から歴史を知る事が出来る貴重な本です。
日本人は日本の文化を大事にしなければいけないと
感じるきっかけにもなるでしょう。


Aもうひとつの紹介文
3.算数・数学への疑問から  B6サイズ、ソフトカバー、221頁 定価:本体2,000円(税別) (2008年 ヨーコインターナショナル)
                           書籍コードaFISBN978−4−9904507−3−1
本書では、算数・数学への子どもたちの捉え方、見方が偏っているという事実をとりあげて、
算数・数学はゲームでもなく、受験問題解法でもなく、日常や数や量、形(幾何)、変動(関数)などで
みることであることを伝えたいという著者のねらいが具体例で示されています。
本文中には、算数・数学についての子どもたちとの会話や、先生の授業づくりの仕方、
生活数学の必要性、学び方も書かれています。
特に、作業することで算数・数学の力量を高めることの大事さも記されています。
新学期にあたり、算数・数学を嫌っている子どもたちに
たのしさ、うれしさを体感させる事ができるでしょう。
一読をおすすめします。(2011.4.6更新)


「仮現実の登場人物」が多勢出てきて、「算数・数学への疑問」を持ったことから、その「疑問」を解決していきます。
小説を読むように読めば理解できるよう工夫されている等、
子供達が賢い大人になって欲しいという思いを込めた
愛情たっぷりの本です。
小学校の教育現場で教えている教員の人達のテキストにもいいでしょう。
2.日常素材で数学する B6サイズ、ソフトカバー、241頁 定価:本体2,000円(税別) (2008年 ヨーコインターナショナル)
                      書籍コードaFISBN978−4−9904507−1−7
パソコンが普及し、インターネットで誰でも簡単に情報を得られる時代の今、
「高校数学」程度の数学の知識は、賢く生きる為に必要なのではないか。
では、日常のどういうところでどういうところに高校数学が必要なのか、私達は普段意識していません。
「数学なんて大嫌い!」という人には、いきなりこの本は難しいかもしれない。
けれども、具体的に身近なところから素材を取上げてわかりやすく読み解くように書かれていますので、
頑張って教養本として読んでくれたら実りは大きいと思います。
教職課程の学生さんにはテキストとして是非読んでもらいたいです。
学割サービスがあります)


【2011年も、S大学にて課題図書に採用されました】
【2010年、S大学にて課題図書に採用されました】
【2010年、N大学にて課題図書に採用されました】
【2010年、K大学にて課題図書に採用されました】
1.「生活数学」のすすめ B6サイズ、ソフトカバー、205頁 定価:本体2,000円(税別) (2008年 ヨーコインターナショナル)
                       書籍コードaFISBN978−4−9904507−2−4
「生活数学って何?」「どれから読んだらいいの?」と思ったら、まず、この本から読む事をおすすめします。
日々の生活は「量」と「質」に囲まれていますね。その橋渡しをするのが数学。その仲立ちが数値(データ)。数値を扱うのが数学。だから、日々の生活は数学と切り離せない。という訳です。
テレビや新聞を見ると数値(データ)が溢れています。その数値(データ)を読めるか読めないかで人生も大きく変わりそうです。
家計を預かる主婦も節約だけしていればいいという時代でもなさそうです。
本書は、社会人に教養本として読みやすく書かれています。
また、教職課程の人には、数学がしっかり盛り込まれて書かれていますから、テキストとして有効です。


【2010年、K大学にて課題図書に採用されました】

NEW! 現在、次のシリーズ「続・生活数学シリーズ」の3作目を執筆中です。(2013.5.24現在)
生活数学ネットワーク  〒151--0061 東京都渋谷区初台1−50−4〜211 有限会社ヨーコ・インターナショナル
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